NSKK 日本聖公会 東京教区
教区の礼拝 教会一覧 教会地図検索 主教メッセージ 教会暦
教区の活動 イベント 諸活動 関連団体 書籍・冊子

教区主教 クリスマスメッセージ

(教区時報掲載のもの)

馬小屋で寝たことがありますか?


御子イエスが、両親の旅の途上、ベツレヘムの宿屋の馬小屋で、お生まれになったということです。
 子供たちのクリスマスの『聖劇』や、クリスマスカードのデザインに仕立て上げられると、何とロマンティックな情景でしょうか。このイエスの誕生にまつわる話は、ルカが創作したのでしょうか。それとも、ルカは、当時すでに人々が聞かされていた話を、ちょっと手を加えて脚色したのでしょうか。
 いずれにしても、イエス・キリストの本質を良く言い表す物語に出来上がっています。想像力に敬意を表します。

 私は一度だけ馬小屋に寝たことがあります。何年も前に、ネパールの山奥で。正確には、馬も人もニワトリもヤギも一緒でした。まず、寒かった。寝袋に入っていたのに。そしてクサかった。動物の小屋特有のあのニオイです。またうるさかった。闇の中でも馬は足を踏み鳴らし、ブルルッと鼻を鳴らし、おシッコまでします。…これが馬小屋の現実です。
 神さまが、どこかの皇室のお子様のようにではなく、こういう現実のまっただ中に、人の子としてお生まれになったことは、驚きであり、ありがたいことです。
 私たちも、現代の現実の中に生まれたもう御子の誕生物語を、想像力豊かに、作り出したいものです。

<教区主教のページに戻る>