主教 植田仁太郎
韓国の教会が派遣したボランティア二十三人が、アフガニスタンで、旧支配勢力であったタリバーンといわれるグループに拉致されてしまった。ようやく解放される見通しとなったようだ。韓国のキリスト教界では、この事件をめぐって様々な議論が沸き起こっているようだ。このボランティアの方々は、そして送り出した教会は、現地の医療や教育を助けようとする、善意の方々であることは疑いない。拉致する側の暴力的行為は決して許されるものではない。 この事件の報道で分らない部分がある。それは、この教会なり、ボランティアの人々を現地で責任をもって受け入れてきた機関や組織はどれなのか――それが無かったようだ。この教会のグループは、医療や教育の援助活動ですでに数年の実績があるようだ。ある地域で、善意であれ、部外者が活動する場合には、その地域で、同じく善意で受け入れ協力してくれるパートナー組織が絶対必要である。 東京教区から、エルサレム教区が受け入れて下さって十一人のボランティアが、九月の末まで、ヨルダンの盲・ろう者の施設で奉仕活動をすることになっている。中東の地に行くというだけで心配される方々もいらっしゃるようだ。 現地の教会がしっかりと受け入れてくださるので、私は全然心配していない。ヨソ者である私たちを受け入れてくれるパートナーが居ることは本当にうれしいことである。